監督・脚本・編集 アディナ・ピンティリエ タッチ・ミー・ノット 2020年7月4日(土)~※劇場公開が延期となりました 渋谷シアター・イメージフォーラムにて公開! 仮設の映画館(オンライン配信)”同日公開決定! “マイノリティ”と呼ばれる彼らが教えてくれた、ありのままの自分。R18

教えて。あなたが、どう人に愛されてきたのかを。

第68回ベルリン国際映画祭金熊賞〈最高賞〉&最優秀新人作品賞

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各界からの絶賛コメント!乙武洋匡さん、大久保佳代子さんなど

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INTRODUCTION

ベルリン金熊賞史上、最も議論を呼んだ問題作が、ついに日本初公開!

カンヌ、ベネチアと並ぶ世界三大映画祭のひとつ、ベルリン国際映画祭2018で無名の女性監督が脚光を浴びた。ルーマニア出身のアディナ・ピンティリエの初長編映画が、金熊賞(最高賞)と最優秀新人作品賞をW受賞したのである。ウェス・アンダーソンの『犬ヶ島』、ガス・ヴァン・サントの『ドント・ウォーリー』など、話題作がひしめくコンペティション部門での名もなき新人監督の快挙は、世界で賛否を巻き起こす事件となった。
本作は、欧州で実在する障がい者やトランスジェンダーなど、“マイノリティ”と呼ばれる人たちの“性”生活にカメラを向けた衝撃作だ。〈現実〉と〈虚構〉が入り交じりながら、赤裸々に描かれる彼らの自由な生き方は、価値観が多様化している日本でも受け入れられていくだろう。

心と体を解放する、新体験の“カウンセリング・ムービー”

主人公・ローラには、フランスの女優ローラ・ベンソンを迎え、強迫性障害をもつ孤独な女性の苦悩を演じ切った。ローラが好意をよせる無毛症のトーマスには、「ブレードランナー2049」などハリウッド超大作にも出演するアイスランドのトーマス・レマルキス。そのトーマスとカウンセリングで交流をする車椅子の身体障がい者には、脊髄性筋萎縮症(SMA)を抱えるクリスチャン・バイエルラインがドイツから参加し、赤裸々なセックスシーンにも挑戦している。また、ローラがインターネット上で発見するセックスワーカーのハンナ・ホフマンも、50代で性転換をした実在するトランスジェンダーだ。ローラの心と体が解放されるとき、あなた自身もカウンセリングを体験したかのように、世界との見えない壁が取り除かれていく。

STORY

ローラは、寝たきりの父親の介護で通院する日々を送っているが、彼女自身も人に触れられることに拒否反応をおこす精神的な障がいを抱えていた。ある日、ローラは病院で患者同士がカウンセリングする不思議な療養を目撃する。病により全身の毛がないトーマス、自由に四肢を動かせない車椅子のクリスチャンなど様々な症状を抱える人たちが、互いの身体に触れ合うことで自分を見つめていく。ローラは彼らを興味深く観察する中で、自分と同じような孤独感を持つトーマスに惹かれる。街でトーマスに導かれるように秘密のナイトクラブへ入ったローラは、そこで欲望のままに癒し合う群衆を目の当たりにするのだった。

DIRECTOR’S NOTE

20歳のとき、私は愛について全て分かっていると思っていました。健康的で親密な関係とはどうあるべきか、欲望というものがどう作用するのかも分かっているつもりでした。今、20年にわたる試練と苦難を経て親密性について持っていた考えはその定義を失い、どんどん複雑で混乱するほど矛盾してきています。こういった個人的な経験を反映した『タッチ・ミー・ノット』は、人間が思慕しながら、接触するために触れたり触れられたりすることの(非)能力についてのアーティスティックな探求なのです。

親密性は人間が生きていくうえで核となりますが、そのルーツは母と新生児の初めての身体的、感情的、心理的な繋がりにあります。乳児がもつ、この愛着の第一歩が世界との初めての接触になり、そこから自己意識を構築していくのです。この初めの接触が幼児の脳を形作り、自己肯定感と周囲に何を求めるかに深く影響をあたえます。そして、大人として親密性にどう向き合うかにも影響をあたえます。

このアイデンティティ形成における重要な過程の次には、個人レベルでの健康的な親密性が集団レベルでの関係にも大きく影響し、密な愛着を介し人間の心理社会的な繋がりを生みます。家庭内における親密性の歪みは、争い、虐待、差別、偏見の土壌をさらに広げ、社会や政治にまで影響をおよぼします。

『タッチ・ミー・ノット』が作ろうとしていのは、鑑賞者が人間についての知識を深め、それぞれの親密な関係に関する経験と考えをあらためて評価する、(自己)反映と変化のための空間です。特にフォーカスをおくのは、客体化を止め、人との交流をより人間味のあるものすること、他者への好奇心を高めること、そして自分を他者の肌に重ね感情移入する力についてです。私は人間性を理解し、他者を自分の姿、またはもう一人の自分のように捉える視点を持つことは、心の内の自己と他者との関わり方において本質的な変化をもたらす力になり得ると信じています。グスタフ・ランダウアーは言いました。「社会は革命によって変えられるものではない。社会は人間同士の関係性やふるまい方といった人間のあり方によって変えられる。つまり、人との関わり方を別のふるまいに変えることで、社会を変えるのである。」

監督 アディナ・ピンティリエ

アディナ・ピンティリエ ADINA PINTILIE

2008年にルーマニアの国立演劇大学ブカレスト大学を卒業。映画監督やビジュアルアーティストとして、世界の映画祭で多数受賞する。フィクション、ドキュメンタリー、ビジュアルアートの垣根を超えて、個性的かつ実験的な映像で、人間の「心」についてを妥協なく探求し続けている新時代の映像作家である。

短編映画『DIARY#2』
2013年 オーバーハウゼン国際短編映画祭「ZONTA賞」
短編映画『SANDPIT#186』(共同監督:ジョージ・チパー)
2008年 ロカルノ国際映画祭出品
2009年 マイアミ国際映画祭「準グランプリ」
トリエステ国際映画祭「特別賞」

CAST

ローラ・ベンソン LAURA BENSON

1981年以来パリで生活するバイリンガル(英語/フランス)の女優。パトリス・シェローとピエール・ロマンスが指導する名門の演劇学校で訓練を受け、パトリス・シェロー監督の『HÔTELDE FRANCE』(1987)で銀幕デビューする。その後、舞台で多くの演出家と作品を共にし、2005年にはフランス演劇界最高の賞であるモリエール賞にノミネートされる。その他、スティーヴン・フリアーズ監督の『危険な関係』(1988)、アラン・レネ監督の『お家に帰りたい』(1990)、ロバート・アルトマン監督の『プレタポルテ』(1994)にも出演している。

トーマス・レマルキス TÓMAS LEMARQUIS

アイスランドとフランスで育った後、パリのクール・フローラン演劇学校とアイスランドのレイキャビク美術大学で演技を学ぶ。 その間、さまざまなシャーマニズムの実践と代替療法も勉強する。2003年に主演したアイスランド映画『氷の国のノイ』が世界中で話題となり、一躍有名となる。 ポン・ジュノ監督の『スノーピアサー』(2013)、ブライアン・シンガー監督『X-MEN: アポカリプス』(2016)、リドリー・スコット製作総指揮『ブレードランナー 2049』(2017)などハリウッド超大作にも出演し、個性的なキャラクターで注目を集めている。

クリスチャン・バイエルライン CHRISTIAN BAYERLEIN

1975年に生まれ、ライン川流域のドイツ南西部在住。脊髄性筋萎縮症(SMA)を患い、現在はWeb開発者として働いている。 自称オタクというほど「スタートレック」などのサイエンスフィクションが大好き。また、政治活動家として、障がい者が住みやすい地域づくりや、セクシュアリティへの理解のためにブログを運営したり、講演を行っている。

「この映画や自分がバッシングされるのを恐れていません。 この映画が障がい者などの脆弱な人間を搾取していると非難するとき、彼らは障がい者が感じている欲求について全く知らない人であるというだけです。彼らは障がい者についての独自の誤った概念を持っています。 私たちは脆弱であり、保護されなければならない対象として見ています。 しかし、その考え方は私たちを失望させています。 みんなと同じように、私は自分の体を楽しむ権利、自分のセクシュアリティを探求する権利、自分自身を性的存在として示す権利を持っています。 障がいのある人が、みんなと同じ欲望、夢、刺激に対する好奇心を持っていることを示すことは重要だと思います。」

グリット・ウーレマン GRIT UHLEMANN

1976年生まれ。ドイツのラインラント・プファルツ州を拠点とする陶芸家。 アイルランドで彫刻とメディア全般を学ぶ。 風景や地質学に興味を持ち、彼氏のクリスチャンと一緒にアジアやヨーロッパなどをよく旅行する。

「さまざまな文化を見て、障がい者が家に居続けて自分を哀れむことは意味がないと示すことが重要だと思います。 障がいのある人々も、多様な生活を送る必要があります。 そうすることで、コミュニティにより深く関与することができます。例えば、交換プログラムや経済的支援を通じて旅行を体験する機会を持つべきだと思います。 過去3年間の私のクリスチャンとの関係は素晴らしいものでした。 私たちの人生は非常に多様であり、共有できることが沢山あります。 障がいのあるパートナーを持つことは、他の関係と同じくらいやりがいがあります。」

ハンナ・ホフマン HANNA HOFMANN

20年間一緒に過ごした家族を残し、50代で女性として新しい人生をスタートする。同時にセックスワークの練習も始める。主に不動産業者として生計を立てながら、セックスワーカーと性的マイノリティの権利のための活動し、仲間のトランスジェンダーなどのセックスワーカーに心理的なコンサルタントも提供している。ハンナが提供するエスコートサービスは、エロティックなロールプレイと心理療法のカウンセリングを組み合わせた魅力的なものである。

シーニー・ラブ SEANI LOVE

オーストラリア生まれ。BDSM、ネオタントラなど使用したエロティックなサービスをエスコートしている。カウンセリングにおいても、実践的かつ現代的なトレーニングが評価され、2015年にロンドンで開催されたSexual Freedom Awardsで「セックスワーカー・オブ・ザ・イヤー」など、数々の称賛を獲得した。

イルメナ・チチコワ IRMENA CHICHIKOVA

「The Art of Sweeping Things Under the Rug」(2008年)で舞台デビューを果たし、『IKAR』(2009年)でASKEER Theater awards最優秀主演女優賞を受賞。 その後、映画『I AM YOU』(2012)で主役を演じ、批評家の称賛を受け、Golden Rose National Film Festivalで最優秀女優賞を受賞。2014年にはサンダンス映画祭の世界大会で上映された『VIKTORIA』など、多くの作品に出演している。